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有生子のエッセイ

なぜデンマーク?

2020/10/7(水)
「デンマークが好きなんです」
そう口に出すと決まって、「なんで?」「どうしてデンマーク?」
と訊かれます。

「誰かを好きになったときと同じように、
好きなことに理由なんてない」
と答えたいのだけれど、説得力がなく、
納得してもらえません(笑)

だから、「出会った瞬間から恋に落ちた」
その出会いを話すようにしています。

今から8年前の、2012年。
ドラマ「キリング」(CS『スーパー!ドラマチャンネル』放送)の
シーズン1と2、このふたつを続けて観たこと。
これが、最初の出会いです。

当時、日本のドラマづくりに疑問と閉塞感を感じ、
母の介護をきっかけに、脚本を書くことから離れ始めていた頃でした。
そんなわたしに、海外では、とくにデンマークでは「理想のドラマが存在するんだ」という、
羨望と衝撃を与えたのです。

子供の頃から海外ドラマに興味があり
BBCのホームズやポワロは大好きでしたし、
アメリカのハリウッド系のものはもちろん、
韓国ドラマも台湾や中国ドラマも、
ジャンルを問わず、国を問わず、
かなりたくさんのドラマを観てきた、という自負はあります。

それまで観たどのドラマよりも、どの作品よりも、
わたしが求めているもの、
憧れているもの、
書きたいもの、書きたくても書けないもの、
すべてを内包し、具体的に提示し、
さらにその先の世界を驚きを持ってみせてくれる――――
それが『キリング』でした。

こんな素晴らしい作品を生むデンマークという国は
いったいどんな国なんだろう?
たまたまこのドラマが素晴らしいだけ?
この制作スタッフが優秀なだけ?
デンマークに限らず、ほかの北欧のドラマは?

折しも、スウェーデンの「ドラゴンタトゥーの女」が
ドラマ・映画ともに日本で人気を得て、
北欧ミステリーブームが沸き起こっていた頃でした。
「知りたい」気持ちが募ったわたしは、この機会に乗じて、
とにかく北欧のドラマはなんでも手あたり次第、観るようになりました。

スウェーデン「ドラゴンタトゥーの女」
      「刑事ヴァランダ―(BBCと共同)」「凍てつく楽園」
      「エリカ&パトリック事件簿」
      「犯罪心理分析官インゲル・ヴィーク」
スウェーデン・デンマーク合作「ブリッジ」
デンマーク「ゾウズ・フー・キル」「コペンハーゲン」「リタ」「ザ・レイン」
ノルウェー「私立探偵ヴァルグ」「ジャーナリスト事件簿~匿名の影」
フィンランド「刑事ソフィア・カルピ」「ボーダータウン・犯罪が眠る街」

などなど、いま思いつくものをざっと書きだしたので、
ごく最近のものもあります。
※「コペンハーゲン」(シーズン3)「リタ」(シーズン5)「ザ・レイン」(シーズン3)は現在、
Netflixで全シーズンが観られます。

どれも素晴らしかったのですが、
「キリング」のときと同じほど唸ったのは、
「ブリッジ」と「コペンハーゲン」です。
※政治ドラマ「コペンハーゲン/原題:BORGEN(国会議事堂)」は、久々にシーズン4が制作中らしい。
これも本当に素晴らしい!

かなり早い時期に、わたしにはやはり、
デンマークのドラマがもっとも響くということがわかりました。
以降はドラマから映画、小説へと興味は広がり、
アンデルセンの童話やキェルケゴールの哲学、
そして、国民の幸福度が高い「デンマーク」という国、
そのものを知りたくなっていったのです。

好きな人を、もっと知りたくなる。
ただそれだけのことが、ずっと続いているだけなのかもしれません。

いつかこの熱も冷めるかもしれません。
微熱になるかもしれないし、冷めないかもしれません。

今は、大好きなデンマークについて、
思うこと、感じること、
知りたいことや伝えたいことを、できるだけここに、
書き留めていこうと思っています。
気負わずに。世間話のように。

ゆるゆると書いていきますので、
たまにお付き合い頂ければ、幸いです。

追伸。
わたしの「デンマーク好き」を決定的なものにした映画があります。
2014年から、デンマーク語を習い始めているのですが、
最初の授業のときに、先生に教えて頂いたスサンネ・ビア監督の「しあわせな孤独」です。
作品の詳細については、「キリング」も含め、
次回からゆっくりお話していきます。

なにも情報のない、まっさらな気持ちで観たら、
きっとあなたの心になにか落としてくれる、そんな映画です。
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